令和4年8月4日(火)10時より、県立向陽中学校理科部のみなさんの鳥類調査を行いました。前回(7月28日)から、インターバルがあまり空いていなかったので、定置カメラのデータはひたすらアライグマとイノシシが写っているだけで鳥類の映り込みはありませんでしたが、向陽中OBで向陽高校3年生の保田君にやってもらったラインセンサスでは、オオヨシキリとヒクイナの確認ができました。入口の水田が一斉に耕作放置されて数年がたち、湿性高茎草本により形成された湿草地が広がるようになり、オオヨシキリとヒクイナが繁殖するようになり、春の渡りでエゾセンニュウが初記録されました。新しい鳥が記録されるのはもちろん嬉しいことですが、耕作放棄地に形成されたつかの間の湿草地環境に参入する鳥は、陸地化に伴い姿を消す運命の種なので複雑な気がします。1,000年の間「農」の営みにより遷移が止められ維持されてきた水田環境が、その営みが途絶えることにより陸地化&森林化に向け植生遷移の歯車が動きはじめることにより環境が変化し、そこに住む生き物も変化していきます。次世代を担う中学生の子どもたちには、ぜひそのさまを観察することにより、身近な自然環境に目を付け問題意識を持つ人に育っていってほしいと思いました。