令和4年3月8日、海草振興局農地課の皆さん(2名)が視察に来場しました。農地課の皆さんには、孟子不動谷稲作水系復元を目的とした水辺ビオトープ(とんぼ池)の基盤整備作業に向けた助成をいただいています。令和3年度から3年間の予定で、孟子不動谷に子どもたちの学習拠点「生物多様性センター(仮称)」の建設用地として購入した不動谷地内の旧家を取り壊したときにできた廃材を活用したとんぼ池整備と、雑木林観察地「やすゆき公園」周辺の間伐と間伐したコナラ・クヌギ材を活用した「しいたけ榾木場整備」を計画しています。「しいたけ榾木」の中で、ノコギリクワガタ(くわがたむし科)の幼虫が育ちます。2000年頃から「やすゆき公園」に置いたしいたけ榾木に多くのノコギリクワガタが発生していたのですが、近年が榾木が老朽化し、シイタケが出ないばかりか、そこで生息する昆虫がノコギリクワガタからゴミムシダマシ類やオオキノコムシ類など、朽ちた樹につく菌類を食べる種類に変遷してしまい、ノコギリクワガタの個体数が激減しています。今回の助成による活動により榾木をリニューアルすることで、子どもたちの「アイドル」であるノコギリクワガタの個体数の回復を目指します。
またこの日、農地課の方々が来られる前にセトウチサンショウウオの調査を行いましたが、今年雨が少ないためか、産卵場所の滞水の状況が思わしくないのが心配です。今回廃材を使ったとんぼ池の改修や、来年度行う無農薬圃場西側の水路の改修は、セトウチサンショウウオの主産卵地の滞水の状況が思わしくない場合の代替産卵環境として機能してくれることを期待しているのです。