平成22年度から継続している未来遺産運動(業務一覧参照)の年度末の締めくくりに、孟子不動谷で自然観察を行った子どもたちのシンポジウム「生物多様性フォーラム」を開催します。そのイベントが令和元年度はコロナ肺炎の影響により中止になっていました。令和2年度は、「わんぱくクラブBコース」「もうこさとやまようちえん」は中止になりましたが、県立向陽中学校理科部のクラブ活動「孟子動植物モニタリング(孟子不動谷生物多様性活性化プロジェクト)が令和2年7月から再開されました。短期間ながら部員一同一生懸命に調査を行い、昼間滅多に姿現さないいタカチホヘビ(なみへび科))の確認や、ニホンアカガエル&セトウトサンショウウオの卵塊の多数確認など、特筆すべき記録をたくさん取得したので、下記日程でリモートによる研究発表会を開催しました。
(実施日時)令和3年3月14日(日) 10:00~12:00
(実施場所)海南市わんぱく公園内食事スペース
(参加者) 東京大学名誉教授         鷲谷いづみ先生
      日本生命株式会社CSR推進部副部長 岩本昌弘さま
      県立向陽中学校理科部 引率・大林先生
        理科部員 研究発表者 3名、閲覧者 7名
      ビオトープ孟子 有本智(理事・コーディネーター)
              山鷲仁志(写真記録その他)
10:00~10:12  令和2年度孟子不動谷両生爬虫類調査結果発表(PPT使用)
10:12~11:30  鷲谷教授と、向陽中学校理科部員のディスカッション
11:30~12:00  「こがねぐも相撲大会」DVD映写
リモートソフト「ZOOM」を使用した発表会は初めての経験で、最初は戸惑いましたが、理科部員の皆さんの中には、リモートでのシンポジウム参加を何度も経験した人も多かったので、終始和やかな雰囲気の中で進行することができました。今回の両生爬虫類調査は、理科部のクラブ活動としては8月~12月に6回のみしか行えませんでしたが、理科部OBで現向陽高校1年生の保田君が6月に先乗りで個人的に2回調査を行ってくれたのと、3月1日に、全日卒業式で代休であった3年生(卒業生)5名が、セトウトサンショウウオの卵塊調査にきてくれたことで、とても充実した調査結果を得ることができました。当日出席した生徒10名は、孟子での両生爬虫類調査に熱心に取り組んでいるだけでなく、卒業論文研究や夏休みの自由研究などで、各自テーマを設定して研究活動を行っており、鷲谷先生への質問も中学生とは思えないほどのレベルの高い内容が多く、素晴らしいディスカッションになりました。コロナ肺炎の終息は、まだかなり先になりそうな公算が強く、今後もリモートという手法をいろいろな場面で活用しなければならなくなることが十分考えられるので、今回のリモート発表会は、非常に貴重な経験になったと喜んでいます。