令和4年12月28日、孟子不動谷炭窯南側にある大旗山直登道のある谷のかかりにある名称不明の小池の整備を和歌山大学システム工学部の学生の皆さんが行いました。セトウチサンショウウオ(さんしょううお科)は、孟子不動谷では谷奥に浚渫された天堤池と水辺ビオトープ(とんぼ池)での産卵が確認されていたものの卵数が少なく心配していたのですが、3年前に和歌山県立自然博物館の松野学芸員たちが上記の小池で多数の卵塊を確認しました。ただこの溜池は堤体が一部崩壊しており、年明けからの雨により水が溜まるものの、冬には水が干上がってしまいます。小池での産卵個数は孟子不動谷のセトウチサンショウウオの産卵数全数の70%程度を占めており、2022年には78個の卵塊を確認しています。来年からシステム工学部大学院の宇野さんがセトウチサンショウウオの研究を行う予定にしており、小池の産卵環境をできる限り改善するために今回の取り組みを行いました。宇野さんは、かつて「生物多様性フォーラム」で研究発表をしてくれた当時桐蔭高校の山田寛之君の調査フィールドであった扱沢(海南市)周辺との比較研究を行う予定で、今後の研究成果がとても楽しみです。