毎年夏に恒例行事であった和歌山ユネスコ協会主催の「子ども日帰りキャンプ」ですが、ここ数年コロナ肺炎の影響等により開催ができずにいます。今年度も夏季に企画されましたが、コロナが増えて中止になっていました。
ビオトープ孟子では昨年度から3年計画で、和歌山県の助成を受けて「やすゆき公園」のカブトムシ・クワガタムシの生息環境の整備を行っています。今年度は、ノコギリクワガタ、コクワガタなどの幼虫の生育環境の整備として、老朽化して収穫できなくなっていたシイタケ榾木場の整備を行う計画になっています。そのことを和歌山ユネスコ協会の皆さんにお話ししたところ、ぜひ子どもたちと一緒にお手伝いしたいということで今回のイベントが企画されました。コロナの影響が少なくなり、夏季に子ども日帰りキャンプが開催できるようになったときに、カブトムシ、クワガタムシが採集できるような「やすゆき公園」に戻っていることを期待しての取り組みです。
令和4年10月30日、和歌山ユネスコ協会(引率者10名、募集した子ども17名)が来場されました。作業内容は、クヌギ・コナラの原木にシイタケの菌糸の植え込みと、和歌山県助成により整備した榾木場への設置作業および、カブトムシの産卵床作りに使用する落ち葉の収集でした。
集まった子どもたちは秋晴れの不動谷で元気いっぱい作業を行いました。
カブトムシ・クワガタムシは、倒れて朽ちた樹を幼虫の生息環境にする「分解者」の昆虫なので、単なる雑木林の場合生息個体数はごく少ないものです。昔から里山に多いのは、田畑に施すために醸成した「堆肥場」や「しいたけ榾木場」などの大発生する環境を人間が創生したことが原因なのです。20年余り前、「やすゆき公園」を作った際、公園内にしいたけの榾木場を作成したことにより、「やすゆき公園」がクワガタムシの宝庫になっていたのです。今回の取り組みにより老朽化した榾木のリニューアルを行ったことにより、かつてのように多くのクワガタムシが発生する公園に戻ってほしいと期待しています。