令和3年12月4日(土)、孟子不動谷にて県立向陽中学校理科部の哺乳類調査が行われました。同年度の現地調査はこれで最終です。今回、炭窯南側の谷に設置した定置カメラにニホンジカ(しか科)が初めて写りました。孟子不動谷でニホンジカが確認されるのは今回が初めてです。今回定置カメラを不動谷内4か所に設置して哺乳類調査を行いましたが、今回の調査でニホンカモシカ(うし科)、ニホンジカ(しか科)の2種類の大型哺乳類が初記録されたことになります。大型の哺乳類が確認されるということは、孟子不動谷の森が深くなっていることを示します。森が深くなることは、森の成長を尺度にした場合良いことなのですが、孟子不動谷の雑木林本来の林相ではなくなってきていることを示します。孟子不動谷の雑木林は本来、薪炭林として管理されていたため、林内が明るく、樹間の広い疎林的な森林であり、そういう林をカブトムシやクワガタムシが好む森林でした。平成28年度より世界遺産登録地・高野山奥の院御廟用黒炭焼きを行うようになり、林野庁の助成金により少しずつ森の間伐を行っていますが、植生遷移の速度が速く森深くなる傾向はなかなか抑制することができないのです。