(特)自然回復を試みる会 ビオトープ孟子/孟子里山情報

ビオトープ孟子 里山を守り後世に伝えるために
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孟子里山情報

孟子不動谷だより

ホトトギス来る(平成21年5月25日)

ありもと@孟子です。。  みなさんこんばんは。。。。

朝8時
孟子不動谷を訪れたありもとの頭上から、懐かしい声が
降って来ました。

テッペンカケタカ! テッペンカケタカ!!

ホトトギスです。


2002年 5月19日
2003年 5月28日
2004年 5月21日
2005年 5月20日
2006年 5月14日
2007年 5月20日
2008年 5月18日
2009年 5月25日
過去8年間の孟子でのホトトギス初見日を列挙すると、
5月20日前後に記録が集中しています。
ウツギの花が満開に近づくころ、ホトトギスは渡来するの
です。

ウグイスが巣立ち雛を連れています。
ネザサ藪の中を潜行しながら、お母さんについて移動し
ています。
深い藪に姿を隠し、なかなか姿をきちんと確認できません
が、黄色っぽくて、尾羽の短いヒナが見え隠れします。

ツバメの巣立ち雛が一気に増加しました。
孟子不動谷奥には定住民家はなくツバメの営巣はないの
ですが、周辺で巣立ったヒナを連れた家族が、たくさん水
田周辺に飛来します。
特に丸嶋さんが丹精込めて育てる無農薬水田の周辺に
多いのは、無農薬のため水田害虫たちが多いからなの
でしょう。

サンショウクイが賑やかです。
ヒリリ ヒリリと鳴きながら上空を右往左往しています。
もうどこかに営巣し、産卵しているのでしょう。
飛びまわっている個体はみな、オスの成鳥ばかりです。

天堤池ではカイツブリ夫婦が愛を語りあっています。
その池畔の林で、今朝はサンコウチョウの♂が2羽、バト
ルを展開しています。
ギギッ  ググギギッ  チッチョーホイ ホイホイ・・・
尾羽の長いオス成鳥と、尾羽の短い若いオスが、縄張り
争いの真っ最中です。

天堤池の南側の谷に営巣するのは、ここ数年尾羽の長い
♂なのですが、そこに若いオスが入ろうとしてバトルになっ
ているようです。

ピックィーッ ピックィーッ!!
上空をサシバが舞っています。
♂♀が並んで飛んでいます。

オオルリとキビタキも鳴いていますが、今日は声が遠いです。

ギチギチ ギチギチギチ・・・
天堤下の台場クヌギ周辺で、コサメビタキが警戒声を挙げて
います。

一通りの夏鳥たちの挨拶を済ませ、入口の駐車場に向かい
ます。

今日は10時に待ち合わせをしています。

和歌山大学システム工学部中島敦司研究室の元安良彰君と
同じく和歌山大学システム工学部養父志乃夫研究室の上田貴
昭君です。
両君とも、里山に興味があるということで、見学させてほしいと
メールをもらっていて、今日初めて孟子訪問となったのでした。
午前中はありもとと一緒に水路道を歩き、孟子の里山の観察
をし、午後からは現在進行中の国土緑化推進機構助成事業
である、間伐材を使ったとんぼ池改修のお手伝いをしてもらい
ます。

入口駐車場で良君を出迎え、3人で水路道を歩きます。
犬飼池を見てもらいながら、なぜ北野上地区に溜池が多いの
かについて説明します。
北野上地区を流れる貴志川は川床が低く、水をくみ上げるのに
労力を要するため、北野上地区では谷地形を利用して溜池を
浚渫し、そこに備蓄した水を活用して稲作畑作を行った経緯が
あります。

北野上地区にある170個余りの溜池の殆どは江戸時代に農業
用水のために浚渫されたものであり、全て水田と繋がっているの
で、新しい圃場整備を施され、水田から姿を消した希少な動植物
が、圃場整備や耕作放棄により隔離された溜池に逃げ込んでい
ることが多く、溜池を調査することで、周辺の稲作水系の本来の
ポテンシャルを図ることができます。

溜池の堤は、コンクリートのない時代は土で作られ、水で流れな
いように草を生やして草の根で土を縛って強固な堤を作りました。
草の根は、土を縛って強固な堤を形成しますが、木の根は太すぎ
て逆に土を割り、水をもらしてしまいます。
ですから、定期的に草刈管理を行い、溜池の堤に樹が生えないよ
うに管理しました。
堤を保全するための定期的な草刈は、堤体にできた草地の適切
なかく乱になり、そのことで、キキョウ、オミナエシ等の多様な草本
類の生育場所となったのでした。

里山の重要な構成要素である溜池についての話に2人とも熱心に
耳を傾けていました。

水路道を歩きます。

シャカシャカシャカ・・・
歩き始めてすぐに、あしもとで音がします。
マムシが1頭、尾の先を震わせて怒っています。
今年孟子で初めて見るマムシです。
ヘビ好きのありものは満面の笑顔で近づき、撮影を始めます。
2人も、興味深げに近づき、デジカメで撮影しています。

ガラガラヘビにように、尾の先を震わせるのはマムシが警戒してい
る証拠です。
とぐろを巻き、鎌首をもたげ、怒っています。

かっこ良い姿、そして体の鮮やかな鎖模様・・・・
いつ見ても魅力的な動物です。

マムシにあいさつを済ませ、水路道を進みます。

クヌギの多い孟子の雑木林を観察しながら、里山薪炭林についての
話をします。

里山薪炭林は、里人が、山からさまざまなバイオマス資源を「持ち出
し」た歴史があります。
木を伐って燃料にする。炭を焼く、シイタケを植える・・・
落ち葉を掻いて持ち帰り、堆肥を作って田畑の肥料にする・・・・
人は森から、さまざまなものを「持ち出し」ました。
その結果森林の土壌が痩せ、西南日本の極相形成樹である、常緑
広葉樹に替って、クヌギ、コナラ等の、落葉広葉樹優占の林へと変貌
しました。
人が森から、資源を「持ち出す」ことで、土壌が痩せ、秋から冬に葉を
落として休眠する落葉広葉樹しか生えれなくなったのが和歌山北部の
薪炭林なのです。

クヌギ、コナラ優占の落葉広葉樹林は林床が明るく、スミレ類、キンラン
等の花が林の中によく咲きます。
林の中に自生するカンアオイを幼虫に食餌植物とし、スミレ類、カタクリ
等の早春性の林床植物を成虫の訪花植物とするギフチョウなどは、里
山薪炭林を象徴する昆虫であり、和歌山県で絶滅した理由は里山薪炭
林が放置され、植生遷移が進み、林床が暗くなり、幼虫の食餌植物も
成虫の訪花植物も少なくなったことに起因しています。

ただ、里山の林がすべてクヌギコナラ優占の落葉広葉樹林かというと
そうではありません。
たとえば紀伊半島南部の薪炭林は常緑広葉樹林です。
紀伊半島南部、熊野地方の薪炭材の代表は紀州備長炭を焼くウバメ
ガシです。
熊野の炭焼きさんにとっての薪炭林管理は、ウバメガシを枯らさない
森林管理でした。
そこに年間降水量3000mmという多雨地帯であることが幸いして、さ
まざまなシイやカシが混淆した、複雑な常緑広葉樹林が保全される結
果になったのでした。
このように、その場所の降水量や土壌の状態によって、そこに形成され
る里山薪炭林の林相もさまざまなのです。
ですから一口に「里山管理」といっても、すべてを「武蔵野の雑木林」に
変えてしまう管理ではなく、地方地方に元来あった、里山薪炭林の林相
をまずは理解して、その林相に近づける里山管理こそが正しいのです。

そういう意味で孟子不動谷のある北野上地方の薪炭林の特徴として、
クヌギが重用された経緯があります。
孟子でクヌギにこだわった「菊炭」を行っているのも、そういう北野上地
区の薪炭林の特徴の上に立ったものなのです。

里山という環境に興味をもち、めいめいに研究材料をもっている若い2
人に、ぜひ理解してほしいことを喋らせていただきました。

また、豆知識として、葉を利用して餅や団子、寿司等を巻く文化について
も話しました。
北野上や美里町では、サルトリイバラに餅を包んだり、フユイチゴに団子
を包む風習があります。

南紀地方ではホウロクイチゴに団子を包んだり、ダンチクに鯖寿司、アオ
ノクマタケランに団子を包む風習があります。

このような文化も、人の森とのかかわりを考察する上で、面白い切り口で
あるといえます。

水路道を歩きながら、里山についてさまざま語り合いながら、午前中の時
間が過ぎました。

山案山子テラスで昼食を食べ、13時
いよいよ「力仕事」の開始です。

2000年から孟子不動谷で増え始めたイノブタにより掘り返され傷んだと
んぼ池を、間伐材を使って補修浚渫する国土緑化推進機構助成事業の
開始です。

北原理事長、丸嶋さん、わんぱく公園植栽職員の坂本さん、ありもとの4人
に、若い二人が加わって作業開始です。

間伐材で橋をつけたり、池畔の補強したり、力仕事が続きます。

若い二人は流石に体力が有り余っているので元気はつらつです。
スコップやトンガを持ち、軽快に作業をこなしていきます。

ありもとは4月に痛めた腰痛が祟り、なかなか作業が思うに任せません。
エッチラオッチラ作業を進めます。

16時までたっぷり5時間
体力が尽きてしまいました。

「あぁ腰痛い!先に帰るで!!」
そう言い残して北原理事長が帰路につきます。

若い二人も「いろいろありがとうございました!また来ます!」と言い残し
帰路につきます。

山案山子前のイボタノキに樹上をウラゴマダラシジミとアカシジミが舞っ
ています。

陽が西に傾き、鳴き出したフクロウの声に見送られ、いたい腰をさすり
つつ、孟子不動谷を後にしました。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
カイツブリ、サシバ、フクロウ、コジュケイ、ヤマドリ、キジバト、ホトトギ
ス、カワセミ、コゲラ、アオゲラ、ツバメ、キセキレイ、サンショウクイ
ヒヨドリ、コサメビタキ、キビタキ、オオルリ、サンコウチョウ、イソヒヨ
ドリ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、エナガ、ヤマガラ、シジ
ュウカラ、メジロ、ホオジロ、カワラヒワ、スズメ、ハシボソガラス
ハシブトガラス
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

投稿者:ビオトープ孟子|投稿日時:2009年05月25日 22:16||

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