(特)自然回復を試みる会 ビオトープ孟子/孟子里山情報

ビオトープ孟子 里山を守り後世に伝えるために
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孟子里山情報

孟子不動谷だより

なかなか来ぬ温かさ(平成21年3月7日&8日)

ありもと@孟子です。。  みなさんこんばんは。。。。

啓蟄が過ぎました。
でも、なかなか麗かな暖かさがやってきません。


3月7日 8時  孟子不動谷到着です。
そろそろスジグロシロチョウやベニジジミ、ルリシジミなん
かの、蛹越冬の早出のチョウが飛び出す頃なので、その
あたりの記録を取りたいと思いやってきましたが、そんな
ヤツらがヒラヒラと飛びかうことが、なかなか想像できない
ほどの、冷たい季節風が吹き荒れています。

天候は「一応」晴天ですが、冷たい、冷たい、一日になり
そうです。

ドドドドド・・・・
ヤマドリがほろ打ちをはじめました。
お腹の奥に響くような、ドラミング音は、孟子の春の風物
詩の一つです。
発情した♂のヤマドリは、大きく胸を張り、両翼を小刻み
に打ちながら、雑木林の中からこの音を響かせます。

2002年 3月11日
2003年 4月19日
2004年 3月19日
2005年 3月19日
2006年 3月19日
2007年 3月 3日
2008年 3月15日
2009年 3月 7日
過去8年間のヤマドリの「ほろ打ち始め日」を並べてみる
と、今年は2007年に続いて早い記録ということになりま
す。

ツグミたちが、ヤマザクラやコナラ等、葉を落とした落葉
広葉樹の枝先に並んで止るようになりました。
水田や畑地で、地面に降りて「だるまさんがころんだ」を
しながら土の中にミミズなどを食べていたツグミたちが、
このように並んで枝先に止るようになると、いよいよ北帰
行の前ぶれです。
このとき、帰る方角の「東」を向いて止ることが多いので、
「つぐみ」という漢字は「鶫」と書くようです。

そろそろツバメの声が上空から降ってきても良い頃なの
で、時折上空を見上げますが、まだ姿がありません。
その代わりに、冬鳥のノスリが上空にまん丸な円を描き
ます。

ジゴクノカマノフタの花も咲き出しました。
「キランソウ」という別名で知られるしそ科の早春の草花
です。
「ロゼット」状に地面にピッタリと伏せた独特のスタイル
で、濃い紫色の花をいっぱいにつけます。
一見すると地味な花ですが、じっくり見るとなかなか風情
のある美しい花です。

チョウやツバメは飛びませんが、畑地の春の花は確実に
進んでいます。

ウメの花もどんどんと散り始め、タチツボスミレ類も3種揃
い踏みです。
青紫系の花をつけ、花柄が緑色で、葉が丸いハート型な
のがタチツボスミレ
赤紫系の花をつけ、花柄が紫色で、花の隣に出る葉が細
長いのがナガバタチツボスミレ
赤紫色の花をつけ、花柄に微毛が密生し、花の中央の白
い部分がくっきりとしているのがニオイタチツボスミレです。

最も早く花開くのがタチツボスミレで、それそ追いかけるよ
うにナガバタチツボスミレが咲き出し、最後にニオイタチツ
ボスミレが咲き出すのが孟子不動谷の「たちつぼ暦」です。

ニオイタチツボスミレの花はとても臭気が強く良いニオイが
すると言われますが、ありもとは鼻が悪いのか、この花の
ニオイがなかなか認識できません。

アカゲラがペアで飛びまわっています。
まだアカゲラらしいドラミングの音は聞いていませんが、今
年は何か「雰囲気」が違います。
本当に今年は、孟子で繁殖するかもしれません。
暫く楽しみに観察してみたいと思います。

ニホンアカガエルの産卵が、そろそろ「止まった」ようです。
とんぼ池周辺の板の下には、まだ♂が2頭、産卵待機して
いるものの、今日は新規産卵の卵塊は、1個も確認するこ
とができませんでした。
黒江池    残 4
つねとも池  残 5
6号池    残 8
その他の池の卵はみな孵化を終えました。

先週まで真っ黒だったおたまじゃくしが、薄い黒褐色になり、
お腹の両脇に丸くて黒い点が1対、並んでいます。
この一対の黒斑が、ニホンアカガエルのオタマの特徴なの
です。

つねとも池のカスミサンショウウオの卵が、2個増えています。
これでつねとも池に産卵された卵は全部で8卵となりました。

カスミサンショウウオの♀は、コイル状の卵を2個産卵します。
ですから今、つねとも池には、4頭の♀が出現し、産卵したこ
とになります。

卵塊のたくさん並んだ地点の真下をさらうと、♂のカスミサン
ショウウオが出てくることが多いことを、田辺市在住の両生類
の第一人者・玉井済夫先生から覗ったことがあるので、試しに
6個の卵が固まっている地点の下を、玉網でさらうと、はたして
大きな♂のカスミサンショウウオが転り出て来ました。
カスミサンショウウオの♂♀は、普段は外見からだと区別はつ
かないのですが、この繁殖期だけ、排泄口が大きく肥大するの
で、♂♀の区別がつくのです。

♂のカスミサンショウウオは、卵塊の下にもぐって♀を待ち、そ
こに♂のニオイにつられてやってきた♀と抱接し産卵する習性
があるのです。

本種の多産地に行くと、1ケ所に10個も20個ものコイル状の
卵が連なっている場面に出会いますが、それは♂のこの「習性」
のためだと言われています。

掬ったカスミサンショウウオの♂の記念撮影をしていると、(特)
紀州えこなびとの山本君がやってきました。

今日、次年度からの孟子の事業を、えこなびとの方々に手伝っ
てもらうために、簡単な打ち合わせをすることになっているので
す。
ログハウスの中に招きいれ、北原理事長も交えて、簡単な打ち
合わせを行います。

一通りの打ち合わせを終えて12時
山本君は「散歩がてら歩いて帰ります」と言い残して、孟子不動
谷を後にしました。

コンビニで買ってきた「助六弁当」で昼食を食べていると、入江
さんがやってきます。

朝6個のコイルが並んだ下で、掬い取った♂のカスミサンショウ
ウオを入れた水槽を見せると、とても興味深げに眺めています。
「和歌山でカスミの成体を見るんは、何年ぶりやろか?」

孟子では毎年、少数ながらとんぼ池で産卵が見られ、ありもとも
とんぼ池で最初に産卵が確認された2002年以来、モニタリング
を続けているので、毎年1、2度は成体と出会う機会があるので
すが、そういう観察フィールドを持たない人にとって、カスミサンシ
ョウウオの成体を観察する機会は、めったにないのが現状でしょう。

産卵するといって、鳴くわけでもなく、そのへんをはいずりまわって
いるわけでもないのですから、見れないのがある意味「当然」なの
です。

毎年観察しているとはいえ、ありもとにとっても今年初めての確認
なので、結構嬉しいにはちがいありません。

昼食を終え、入江さんと二人で鳥のデータをとりに行きます。

とんぼ池に、また8羽のビンズイが来ています。
今年はとんぼ池の周辺で越冬したのですが、一度消えてしまい、
またここのところ姿を現しはじめ、羽数もふえていたのですが、そ
の個体数が8羽にまで増えたのでした。

池のほとりをチョコチョコと歩きまわり、水際で小さな虫を食べて
います。

丸嶋さんが、「田おこし」を始めました。
早春の孟子不動谷に、耕運機の音が響いています。

すき起こされた水田の中で、モズ、トラツグミ、ツグミが餌を食ん
でいます。

シジュウカラの姿が、本当によく目立ちます。
水路道を歩くと、2人に警戒して、太いネクタイの♂と、細いネク
タイの♀が
、並んで出てきては「ツピッ シャカシャカシャカ」と鳴いて威嚇し
てきます。

日ごろはチョコチョコとせわしなく動き回って、なかなか綺麗に撮
影ができないシジュウカラですが、この時期には結構バッチリ撮
影できます。

犬飼池のほとりに青い♂のルリビタキが、まだ「健在」です。

犬飼池のほとりで池から「抜きあげ」た魚を食べていたミサゴが
、二人の気配に驚き飛び立ちます。

結局29種の鳥類を確認し、この日はちょっと早めに、孟子不動
谷を後にしました。

翌3月8日
この日も8時にありもとは孟子不動谷到着です。

今日は国土緑化推進機構の間伐材活用事業の一環として、間
伐材を活用した巣箱架けのイベントがあります。
参加者の子どもたちは9時をめどに集合する予定なので、最初
は孟子を一回りして鳥のデータを取ります。

ヒメウズの花が咲き出しました。
早春の里山を象徴する「おだまき類」の小さくて可憐な草花です。
このヒメウズの花の開花データと、昨日確認したヤマドリのほろ
打ちのデータには、ちょっとした「因果関係」があります。
<ヤマドリ>       <ヒメウズ>
2002年 3月11日
2003年 4月19日
2004年 3月19日   2004年 3月19日
2005年 3月19日   2005年 3月19日
2006年 3月19日   2006年 3月18日
2007年 3月 3日   2007年 3月 4日
2008年 3月15日   2008年 3月22日
2009年 3月 7日   2009年 3月 8日

上記のように、ヤマドリのほろ打ちが聞かれる頃に決まって、ヒメ
ウズも開花しています。
2007年と2009年のように、どちらかが極端に早い年は、かな
らず「申し合わせた」ように、「相手」も早くなっているのです。

高野山の友人が、「タムシバが咲くとツツドリが来る」と言っていた
ことがありますが、孟子では「ヒメウズが咲くとヤマドリがほろ打ち
する」といえそうです。

天堤池のほとりのコナラの横枝に、ノスリが止まっています。
ちょっと遠いですが、雰囲気が良いので記念撮影します。

アオジが囀りはじめました。
日本舞踊の調子の「とっぴんしゃん」を聞きなしにするように、アオ
ジの囀りは本当に、のんびり、のんびりと、響きます。
目の周りと喉がまっくろになり、お腹が山吹色に染まった、美しい
夏羽の♂が、コナラの横枝で喉を膨らませて歌っています。
本当に美しい光景です。

那賀寺の庫裏の裏のウメの枝先で、ホオジロも歌っています。
ホオジロの♂には、面白い特徴があります。
早春、さえずりはじめのまだ営巣が始まる前には、♂はほぼ真上
を向いて、囀ります
それが営巣が完了し、♀が抱卵を開始すると、真上を向かず、
約45度ななめ上方を向いて、囀るようになります。
繁殖最盛期に、真上を向いて囀っている♂は、繁殖番いの周辺
で、ナワバリを虎視眈々と狙っている若いフローター個体のみに
なるのです。
つまり、♂のホオジロが真上を向いて囀らなくなると、営巣が始ま
った「証拠」と言う訳です。

一回りして一通りの鳥のデータを取り終え、山案山子前に戻った
のが9時
そろそろ子どもたちがやってきます。

今春めでたく、御坊市名田町にある和歌山工専に合格した、「根
来山昆虫調査隊」の隊長・勝谷君に、向陽中学の奥村君。
それに奥村君の近所に住む「野鳥大好き」の安達さん一家・・・・
続々と子どもたちが集まってきます。

今回、国土緑化推進機構の間伐材活用の事業申請を行う際に、
巣箱架けを事業に入れたのには2つの「理由」があります。

1つは昨年、トイレの前のベンチの隙間に、シジュウカラが営巣
したことです。
人どおりの激しい、「信じられない場所」でシジュウカラの営巣を
確認し、樹洞を利用して営巣する小鳥たちも、相当「住宅難」なん
だということがわかったので、その「解消」のために、巣箱架けを
行おうと思いました。

そしてもう1つは、「キビタキの巣箱」のモニタリングです。
昨年の初夏鳥類関係の雑誌に、孟宗竹で作成したキビタキ用の
巣箱に、結構キビタキがよく入り営巣するということが掲載されて
いたので、一度孟子でも「実践」してみたいと思いました。

その2点の理由により、間伐材で作ったシジュウカラ用の巣箱と
、間伐した孟宗竹で作った、キビタキ用の巣箱を、子どもたちの
手で、孟子不動谷に設置したのでした。

キビタキ用巣箱は、参道沿いのキビタキが毎年テリトリを張る周
辺に、2個設置しました。

子どもたちと一緒に、参道を歩き、巣箱をかけ終えて山案山子前
に到着すると13時
子どもたちと一緒にちょっと遅い昼食を食べます。

上空をオスのオオタカが舞っています。
下尾筒を膨らませ、両翼をゆっくり、ゆっくりとカモメが飛ぶように
うちながら、大きな円を描いています。

これがオオタカの、求愛示威飛翔です。
目立つ枝上や鉄塔などに止まって行う「誇示止り」同様、繁殖期
前半のオオタカの、特徴的な求愛行動です。

巣箱架けが終わり、めいめいに観察したり、遊んだりしていた参
加者の子どもたちが三々五々帰途についた後、ありもと、山鷲君
、実恵子さん、土橋さんの4名は、里山資料館のリニューアル作
業を開始します。

「紀の国森づくり基金」の助成行事なのですが、やはりかなりの工
数のかかる作業です。
4人黙々と、16:30頃まで作業をして、ようやく一通りのレイアウト
が完成しました。

作業完了まであと2日はかかりそうです。
来週末はありもとは仕事で和歌山にいないので、再来週めどで再
度召集を行うということで「解散」しました。

ヤマドリがほろ打ちをはじめ、オオタカがダイナミックな求愛飛翔・・・

春らしい「トピックス」はあるものの、まだまだ肌寒い、孟子不動谷
でした。
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<哺乳類 3月7日取得>
イノシシ    足跡
イタチの一種 足跡
タヌキ     足跡
モグラの一種 坑道 
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<鳥類>
☆3月7日
ノスリ、コゲラ、キジバト、ヤマドリ、モズ、ジョウビタキ、ルリビタキ
ツグミ、シロハラ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、ヒヨドリ、ベニマシコ
ウソ、メジロ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、スズメ、ハシボソガ
ラス、ハシブトガラス、セグロセキレイ、ビンズイ、ミサゴ、アカゲラ
キセキレイ、イソヒヨドリ、トラツグミ
☆3月8日
ノスリ、ハイタカ、オオタカ、アカゲラ、コゲラ、モズ、ヒヨドリ、ルリビ
タキ、ツグミ、シロハラ、ウグイス、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ
メジロ、ホオジロ、アオジ、クロジ、カワラヒワ、マヒワ、ハシボソガ
ラス、ハシブトガラス、セグロセキレイ、スズメ、トビ、シメ、ウソ
アオバト
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<両生爬虫類  3月7日取得>
ニホンアカガエル、カスミサンショウウオ、ニホンアマガエル
ニホンカナヘビ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<昆虫類     3月8日取得>
ナナホシテントウ、マメゲンゴロウ、マツモムシ、トゲヒシバッタ
アシブトハナアブ、キタテハ、キリウジガガンボ、ツマグロオオヨコ
バイ、ホソヒラタアブ、キスジゴキブリ幼虫、ヒメアメンボ、クロヤマア
リ、ニホンミツバチ、キアシナガバチ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<花        3月8日取得>
セキショウ、ハンノキ、ハコベ、ウシハコベ、ノミノフスマ、オランダミ
ミナグサ、タネツケバナ、イヌガラシ、ナズナ、ミチタネツケバナ
キジムシロ、ウメ、ハナモモ、ユキヤナギ、ゲンゲ、ヒサカキ、ヤブツ
バキ、タチツボスミレ、ナガバタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ
アセビ、ジゴクノカマノフタ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノ
フグリ、トキワハゼ、ウグイスカグラ、フキ、オニタビラコ、カンサイタ
ンポポ、セイヨウタンポポ、ハルノノゲシ、ヒメウズ
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投稿者:ビオトープ孟子|投稿日時:2009年03月08日 22:03||

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